医療費支払いのしくみ  |
| 被保険者や被扶養者が病気や怪我で治療をすると、病院はその |
| 治療費を1ヶ月ごとにまとめて、保険者(健康保険組合等)に請求し、 |
| 支払いを受けるのが建前です。 |
| しかし、全国には何万もの病院があり、保険者も何千もあります。 |
| それが個々に請求をし、支払いをしていたのでは、事務が大変繁 |
| 雑になってしまいます。 |
| そこで、実際には「社会保険診療報酬支払基金」と言う機関を通し |
| て請求・支払いをすることになっています。 |
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社会保険診療報酬支払基金について  |
| 社会保険診療報酬支払基金(以下、支払基金)では、病院から回 |
| ってきた請求明細書(レセプト)をチェックし、保険者に請求します。 |
| 支払いも保険者が支払基金に支払い、支払基金から各病院へ支 |
| 払われることになっています。 |
| これを図示すると下記のとおりです。 |
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| 高額療養費や一部負担還元金・家族療養付加金の支払い時期が、 |
| 診療月の約3ヶ月後になるのは、この様に審査があったり、医療費 |
| の請求が支払基金を経由して健康保険組合に届くようになっている |
| からです。 |
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支援金・納付金・拠出金の支払いについて  |
| 被保険者が納めている健康保険料は、本人や家族の医療費や給 |
| 付金の他に後期高齢者医療制度や前期高齢者医療制度等の老人 |
| 医療費をまかなうために支出されています。 |
| 支援金・納付金・拠出金の支払いは、健康保険料の半分以上となり、 |
| 自助努力で解消することが難しい大きな負担となっています。 |
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後期高齢者支援金 |
| 後期高齢者支援金制度の財源は、本人(75歳以上)の医療費自 |
| 己負担分と保険料支払い分の他は、公費(税金)と健保組合等 |
| の支援金でまかなわれています。 |
| このうち本人の保険料等1割、公費5割、残りの4割を健康組合 |
| 等が、「後期高齢者支援金」として負担しています。 |
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前期高齢者納付金 |
| 前期高齢者医療制度では、本人(65〜74歳)の医療費自己負 |
| 担分と保険料支払い分を除いた医療費について、前期高齢者が |
| 多く加入している国民健康保険の負担軽減のため保険者間で調 |
| 整がおこなわれています。 |
| 調整は、各保険者の前期高齢者加入率と全保険者の前期高齢 |
| 者加入率を比較して行われますが、加入率の低い健保組合等は、 |
| 「前期高齢者納付金」を多く負担することになります。 |
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退職者給付拠出金 |
| 退職者医療制度は、市区町村が実施していますが、その為の |
| 財源は、本人(65歳未満)の医療費自己負担と保険料の他は、 |
| 健保組合等の被用者保険の拠出金でまかなっています。 |
| 具体的には、その組合の標準報酬総額(標準賞与見込額の総 |
| 額を含む)に一定率を乗じて算出することになっています。 |
| 尚、後期高齢者医療制度及び前期高齢者医療制度の創設に |
| 伴い、退職者医療制度は廃止されましたが、経過措置として平 |
| 成26年度以降も、引き続き退職者医療制度が存在し、加入者 |
| が65歳に達するまで退職者給付拠出金を負担し続けます。 |
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